新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ノムラへの期待

7月11日号のFinance and economicsに、リーマンブラザースのアジア・欧州部門を買収した野村證券のその後に関する記事が載っていて、ちょっと興味深かったので。

リーマンを買収することによって野村が得たもの、それは欧州や中東での営業基盤だったわけですが、内部的にはリーマン時代の記憶を消し去るための施策が次々と進められているようです。オフィスの内装は変えられ、「リーマン」という固有名詞も禁句となるような。

記事によると、リーマナイトと呼ばれた誇り高き元リーマンの営業戦士たちが手を掛けていたような、大型でリスクの高い投資案件は、野村にとってまだまだ敷居の高い物件らしく、資金力やアメリカでの営業基盤など、解決されるべき課題は少なくないようですが、ノムラにとっても変革の好機と捉える現社長の経営姿勢はある程度評価されているようで、今後のお手並み拝見というような結びになっています。

野村に代表される、日本の金融・証券業界の、言ってみれば特殊性は長らく米欧からの批判でなければ不満の対象とされてきたわけですが、ノムラの傘の下で生き延びたリーマナイトたちがこの落差を埋めてくれれば、といったような期待感が伺えますね。

読者コメントは「ノムラがリーマンをしっかりと吸収できるか疑問」という一件だけで、10件の「同意する」が記録されていますが、まあ妥当な見方ですかね。