新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

外から見た変化

7月18日号です。

まずLeadersですが、昨年9月以来の金融危機マクロ経済学の失敗であるかのように扱う議論はおかしい、というThe Economistならではの大上段に振りかぶった論評がトップに来ています。確かに、経済学の理論自体はなんらの毀損を受けておらず、その理論の中でどのように金融が傷んで行ったか、という現象面の議論にとどまるべきとの判断は正鵠を得ているように思われます(が、それで満足する人は少ないかもしれませんね)。

で、次は自民党政治の終焉について、ということで外から見ると自民党の下野は確定路線ということのようです。ふたを開けてみるまで、民主党単独政権になるのか、あるいはゾンビのような社民党が政権参加するのか、もしくは自民党が分裂して民主党との連立政権になるのか、あらゆるシナリオが「あり」だと思うのですが、The Economistの議論もそれらの可能性を否定せず、ふわっとした書き方ながら単独政権への期待を膨らませられない民主党の弱みについて書いています。

もうひとつ、アフガニスタンで増加する英国軍人の殉職について、という記事がありまして、多国籍軍が撤退への動きを加速する中、断固たる決意でタリバンとの対峙を求める論調は気骨そのもの、という気がします。その他は国際会計基準の簡素化について(個人的にはこの件大変興味があります)、ネットを使ったギャンブル禁止への批判、終末医療と安楽死について、となっています。

AsiaではBanyanが自民党政治の終焉についてより踏み込んだ論評を載せています。政権交代は、構造物の要石をとりかえるのみならず、構造物全体を再構築することになるのでは、との結論です。日本の一有権者としては、できればそうあってほしい、と思うところですが。。。