新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

黄色かったり青かったり

8月1日号のUnited Statesですが、国民保険をめぐるオバマ政権の綱渡りな政権運営と、政権与党のなかで展開される熾烈な政策論争、そして民主党保守派(財政面から見た)とリベラル派の対立構造などについて。本来は民主党なら誰にでも投票するイエロードッグ(元来は卑怯者の意)なのに、財政逼迫で息も絶え絶えなので、自らをブルードッグと称する南部出身の民主党議員たちが国民保険についても、また気候変動対策についてもキャスチングボートを握る立場に立っているらしく、彼らの動向に注目が集まっています。というのも、世論調査を見ると国民保険の導入により生活水準がおちると考えている人が全体の4割近くと、良くなると思う人(2割)を大きく上回り、オバマ大統領のプランは受益者拡大が中心だという判断と、コストが高くなるという問題にも注目すべきと言う意見がそれぞれ多数を占め、さらに財源確保のための増税に反対する人が全体の半数を超えているからだと思われます。

他の国ではごく普通の国民保険がここまでオバマ大統領の評判に影響しているのは、やはり経済が落ち込んでいるからなのでしょうね。橋本政権当時、まだ回復の気配が見えないバブル後の経済に財政建て直しを焦って不況の深刻化を呼んだ当時を思い浮かべると、なんとなくイメージがつかめるのではないでしょうか。

あれほど国民の期待を背負って当選したオバマですら、という気がしてしまいます。いわんや現在の自民党をや。