新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

難しい話

8月22日号です。

出張やら何やらで、ちょっと書き込みのタイミングが遅くなりました。
Leadersでも個別記事でも、日本の総選挙の話が出ていますが、The Economistは随分前から自民党の敗北を予言しています。もはや規定路線、と言うことだと思うのですが、そのせいか却って自民党への疑問や皮肉めいた書きぶりが減ったような気がします。

自民党が勝つくらいに難しい話、と言えるかどうかわかりませんが、アフガニスタンへの欧米諸国による派兵は、同国の総選挙の趨勢が見極めづらくなるほどに、勝利も撤退も難しい話になりつつあるようです。

つい先日、日系企業の現地法人が狙われたらしき爆弾騒ぎもありましたが、それも含めて混乱の極みにあり、さらに悪化する方向にあることは確かなようです。考えてみればソ連の軍事侵攻から数えて30年、ずっと混乱にあり続けた同国に、イラク並みかそれ以上の安定した政権を外国の手により樹立することがどれだけ難しい話だったか、ということなのでしょうね。それでもまだイラクに比べれば、NATOの協力も国連の関与も得やすいはずですが、今のままではそれらのファクターを全て勘定に入れても難しい話であることに変わりはないようです。すでにゲリラ化したアルカイダの掃討を半ばあきらめ、住民に被害がないとの確信がない場合の空爆を停止した米軍には「勝利」へのロードマップが極めて見えにくくなっているように思えます。アメリカの世論も65%が勝利のない撤退を予測、一部にはオバマ大統領にとってのアフガンがブッシュ大統領にとってのイラクやジョンソン大統領にとってのベトナムになる、との読みもあるようです。

カンボジアやユーゴでそうだったように、たとえば日本のような国にとっては国連を介した関与によって別なシナリオを提案できる機会であるように、私には思えるのですが。

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