新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

本気モード

8月29日号のEuropeです。

間違いなく目を引いたのは、トルコのエルドガン首相がクルド人との平和構築に向けて発したマジメなメッセージについて。キプロス問題と並んで、国際社会で彼の国が抱える大きな問題の一つについて、トルコ政府側からクルド語の解禁や学校教育におけるクルド史・クルド語の採用など、具体的な平和構築を進めようというのですから、これは随分と大きな変化です。英国政府がアイルランド問題に対応するとき、相手の政治機構であるシン・フェイン党を立てたように、クルド人組織でも穏健派のDTPを立てて平和交渉を進める意図をあきらかにした、のだそうで。

トルコが親日国なのは有名な話です。その親日国が100年の恩讐を乗り越えて民族間の問題解決に乗り出そうとしているときに、日本が協力できる要素は結構あるのでは?クルドとトルコの若者を日本に呼んで研修させる、でも良いでしょうし、民族共存の先例たるアジアの国と組んでビジョン作りを手伝っても良いと思います。

民主党政権に、これらの機微を見るに敏な人がどれくらい入るのか判りませんが、同じ税金を使って行う国際協力なら、相手の状況に見合った出し方をすべきだろうと思うのです。「トルコは一人当たりの所得が高いので」そんなカネは出せない、などという役場の窓口みたいな説明は、自民党の下野とともに消えていって欲しいものだと思います。

その気で見れば、国際社会はチャンスの山にも見えたりするのですが。


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