新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

恐るべからざる投機

11月28日号のFinance and economicsですが、目に付いたのは中国国内であふれかえるマネーの話。「豚インフルエンザに効くらしい」との流言(?)がきっかけになり、暴騰したのはニンニクだそうです。3月以来の変化は生産者価格でなんと40倍。おなじように上海の株価は77%上昇、銅の価格はこの一年で倍になったそうで。

節操のない(?)投機は一昔前のバブルの日本やマネーゲームに沸いたウォール街と良い勝負ではないかと思います。自殺ねずみの大行進ではありませんが、国境・人種・文化を問わず、投機に走るときの動物的な殺到ぶりというのは人間の本能を刺激し、理性を麻痺させる作用があるのではないかとすら思ってしまうのですが。

だとすると、冷めてから後で予防策を考えても無理で、冷めてからはむしろ「そうなるものだ」と投機や失敗を勘定に入れた対応策を考えるべきである、と言うことではないかと思います。バブルを経験した日本としては投機熱、おそるべし。されどそのリスクたるやしかるべき処方により恐るべからざるものなり、くらいのことを、お笑い芸人風に言えば「言ってみてぇー!実際はどうしたら良いか全然わかってないんですけどね、言ってみてぇー!」なんじゃないかと。失われた10年のあとの戦後最長の成長期につづき、世界同時不況からデフレ再燃と、この20年というもの熱気とは無縁の日本です。