新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

集まって、何をするかというと

12月12日号のAsiaですが、珍しいところでトルクメニスタンの現状と、同国が産出する豊かな天然ガスの行方についての記事がありました。まだ国の基礎も固まっていない段階ではないかと思うのですが、二代目大統領となった歯医者さんは、先代から続く専制的な政治体制をそのまま引き継いでいるのだそうで。そのほかには日本の連立政権における国民新党社民党へのいらだちについて。「来年夏の参院選でプラス7議席」といった解説がなされるあたり、どこか日本の週刊誌に書いてある記事でも拾ってきたのではないかと思われる程度の低さですが、The Economistらしくないと言えば本当にらしくない書き方でした。

Banyanが取り上げたのは、鳩山首相が提唱した東アジア共同体に引っかけて、アジア諸国がどのような連合体を模索してゆくのかという話です。ASEAN、ASEAN+3、APEC、東アジアサミットや上海協力機構その他、アジアにひっかかる地域的な枠組みは多岐にわたります。The Economistとしてはお得意の経済面におけるメリット追求ということで、ヨーロッパ型の経済統合を落とし所に考えている(というか、アメリカの例もあり、それが所与となっている?)模様ですが、そもそもASEANからして「調和のとれた一国主義」という考え方を捨てていないため、アジアに経済的な連携(ということは政治的な合意が前提になります、当たり前ですが)を求めようとするのはなかなか難しい段階ではないかと思いますね。政治的な隔たりが、たとえ長期的なビジョンを模索することすら難しくしている、というのが正直な認識ではないかと思います。