新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

なんでアメリカが?

12月19日号のクリスマス特集、「上手くゆくねずみ講」(A pozi scheme that works)という記事では、なぜ今でもアメリカに移民が集まるのか、についての興味深い分析があります。故郷のしがらみからきれいに逃れ、新たなコミュニティに属することについて、世界のいかなるマイノリティにもそのニッチが用意されていること、がその強みだというのですが、相当程度当たっている面はあると思います。で、ネット版の読者コメントでもっとも支持が多かったのが、「コミュニティだと思っているとそれは単なるダイバーシティだったりする」、「アメリカは偉大な国だが同時に不寛容と差別の国でもある」という、とても強い皮膚感に基づいた意見でした。

確かに記事の言うとおり、中国でもインドでも、世界の頭脳が「中国人になりたい」「インドに永住したい」と思って集まるという現状でもなければ可能性も相当低いと思われます。でも「アメリカ人になりたい」まで行かなくても「グリーンカードがほしい」「アメリカに住みたい」という希望者は世界各国にゴマンといるはずで(日本でも)、差別と不寛容がどれだけ如実であろうとも、その流れは短期的に弱まるものではないでしょう。

要は世界中でアメリカだけが、そんなビジョンを提供し実現したこと、が原因なのだろうと思うのです。腐っても鯛、かどうか知りませんが、腐ってもやはりアメリカはアメリカなのだという側面を強く再認識させられた記事でした。