新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

デブの上げ止まり

1月23日号、United StatesのLexingtonは、アメリカ人の肥満化傾向に歯止めがかかりつつある、というニュースについてです。今まで右肩上がりで太りっぱなしだったのか、と思うとそのほうがびっくりかもしれませんが、かつてアメリカで、「わたし、ダイエット中なの。」と言って、一抱えもあるフローズン・ヨーグルト(注:同量のアイスクリームではない、というのが彼女の言いたかったこと)をぱくぱく食べる大型女性に薄気味悪いものを感じたことを思い出します(半分ジョークだったとは思うのですが)。

それ以上に示唆的だったのは、だったら国の政策として健康推進でもすれば?と思うのですが、アメリカ人は国が手厚く国民をケアすることに異常なくらい反対する伝統と言うか傾向があるのだそうで、たとえば当分の多いソフトドリンクにカロリー表示をさせよう、という法案は(その飲み物にカロリーを依存しているような)「貧困層に対してより阻害要因が多い」とかいう良く分からない理由で廃案にされたようです。

手厚い政府の対応のことをNanny(子守)扱いするのがアメリカ人のアメリカ人たる矜持のようで、オバマ大統領の国民皆保険が評判悪いのも、このあたりに一つの論拠があるのではないでしょうか。

デブ化が上げ止まるとすれば、それはそれで健康推進には役立つことでしょうから、さしあたり良いニュースではあるのですが、その裏に透けて見える矜持へのしつこいこだわりには、ちょっと考えさせられる話でした。