新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ばらつく景気回復

1月23日号のFinance and economicsですが、みんなで一緒に不況になったはずの世界経済が直面するばらつきのある回復について。日本から見ると、それが回復ならばと言いたくなるような状況であり認識ではないかと思うのですが、たしかに世界的にはたとえば建設投資など、弱含みながら少しずつ動き出しつつあるのだそうで。とはいえ記事では名指しで懸念されているのが日本と、そしてドイツです。いわく、回復の兆しが弱く、ドイツは動き出しこそアメリカより早かったものの、その後どうもぱっとしない、と。

日本では、確かに好材料の乏しさたるや空前ではないかとさえ思われます。春闘がはじまった、のだそうですが雇用の安定などほとんど風前の灯、というほどの扱われ方のようですし(そもそも春闘というシステム自体、全体で裨益するだけのパイが確保できなくなっている以上、もはや時代遅れなのではないでしょうか?)。

アメリカだって、株価は上がっていたものがオバマ大統領が銀行規制の演説をしたとたんに空気が抜けるように下がったりとか。まさにバブル景気的な回復であることを、この演説ほど如実に示した出来事もなかったのでは?

読者コメントには、コンドラチェフの波にたとえられるシステムの変化が起こっているとの見方もありました。もしかしたらそうなのかもしれません。そんなような目で、もう少し世界経済の動きを眺めてみたいと思っています。