新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アジアと日本と中国とアメリカ

1月30日号のBanyanは、鳩山政権の中国への秋波と沖縄基地問題を絡めながら、日本とアジアの安全保障そして中国との関係について微妙な言い回しの論評をしています。

曰く、結局日本はアメリカが台湾を守ろうとするときの基地にならざるを得ない、と言うのが結論なのですが、それに関する読者コメントが又振るっています。今回は明らかに日本人のものと思われるコメントがゼロ、明らかに中国人くさいコメントも目立たず、日本は儒教国家なのかどうか、みたいなレベルで欧米人らしき人たちの意見交換が圧倒的でした(そこまでは面白くもなんともない)。ただ、中には日本のことを良く判っているなあと感心するコメントもあって、曰く「日本は決して中華文化圏には属さず、独自の文化を築き上げた国である。それは過去2000年にわたってそうである。」「日本は今、大化の改新、明治維新に続く三度目の大きな変革の途上にある。それはもう15年〜20年はかかるだろう。」などという意見なのですが、確かに私見としては、いわゆる55年体制が終わって、失われた10年×2が続いて、それまでの産業立国とは違う、トップダウンの設計思想によるものでもない、何か別のエネルギーがこの国をだんだんと変質させつつあるように、うすうす感じていたのですが、あまり公式にそれを是認する議論にふれたことはありませんでした。

アメリカと中国は、実はあまり仲が良くない方向に向かっているように見えます。先日台湾への武器売却を決定したことに続き、今日もアメリカ国務省が「オバマ大統領は断固としてダライ・ラマと会見する。」という発表をしてみたり、何となく冷たい雰囲気が漂いだしつつあります。ひょっとするとThe Economistの視点は記事の表面に出ている日本×中国、ではなく実はアメリカ×中国、だったんじゃないですかね。