新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アメリカも厳しそうですね

2月6日号のUnited Statesでは、先行きの見えない経済に苦しむアメリカ政府の財政状況に関する報告があります。昨年、そして今年と、予算面では大幅な赤字が見込まれ、かつてない税収不足を補うための国債増発など、どこかで聞いたような話が目白押しです。

そんな中、国民皆保険を実施しようとすれば確かに国民の反発は小さくないでしょう。「私は諦めない、かならずこれをやる!」オバマ大統領は最近の演説でそう言ったそうですが、「諦めない」と彼が言わざるを得ないほど、この政策自体は追い込まれていると言うことだろうと思います。かたや共和党勢力は、さきごろのマサチューセッツ州の上院補選で「オバマケア」と言われる国民皆保険制度は死んだ、という整理でいるようです。民主党の中でも甲論乙駁、最後は枝の上でしおれてしぼむ花のようにダメになるのでは、というのがThe Economistの見方ですが、停滞している経済が盛り返すような流れにでもなればまたぞろゾンビのように動き出す可能性もあり、ということだそうです。

こなた97年くらいから増える一方の防衛費についても、とくにゲーツ防衛長官が積極的に予算削減に取り組んでいることからアフガニスタン駐留経費を加えてもどうにかGDP比で5%程度に収まっている(将来的にはもう少し少なくなる?)ようですが、新型戦闘機の開発についても慎重で、中長期的には同盟国に更なる負担を求める、との方向だそうです。負担を求められれば、アジアを巡る現状から言って韓国や日本も相応の負担を拒否するわけには行かないだろうという読みは当然あるでしょう。やや難しいのは、同盟国もそうでない国もアメリカに対して経済的に便益を与えてくれているとの現状があり、非同盟国との経済を巡る関係は、政治的対立関係とは別に深化の一途を辿っている、と捉えられる面があるためどこまで関係が重視されるのか、と言ったあたりかと思います。このあたりが経済にさとい中国の強気の発言に現れているような気もするのですが。