新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

まだなんとか。

2月6日号のBusinessには、一連のリコール騒ぎに揺れるトヨタについて、まずは事実関係をまとめた記事があります。最近のメディアが書いているものの域を出ないのですが、今日現在で20件ほどアップされていた読者コメントが興味深かったです。

少なからぬ意見がトヨタへの支持や挽回への期待を表したもので、同意を示すrecommendの投票もいくつか入っていたのに対し、技術的な品質への疑問が1件、シニカルな意見も少数ながらみられましたが、これらにはrecommendの票がほとんど入っていませんでした。

「機械は、そもそも壊れるものだ。」というのは機械を扱う人の原理原則であり、真理だと思うのですが、それが製品に現れたとき、企業としてどのような対応を取るのか。頑として非を認めず、裁判までやって株主の短期的利益を守ろうとするのか、真摯に市場要求と対峙して、顧客を第一に考えるのか。今のところ、ややゆっくり気味ではありますがトヨタのアクションは後者のようです。読者コメントもそのようなトヨタの動きを是認するものではないかと思います。

いささか気になるコメントがあったのは、米国政府の動きについてで、制裁金云々をちらつかせているのは沖縄の基地問題等で癇に障る動きをした日本政府への牽制だという見方があることです。ことの真偽はどうかとして、特にこの問題について日本政府には対アメリカで弱腰な発言はしてほしくない。それが余計なノイズとして拡声器に載せられ、不必要な引用をあちこちでされる、格好の対日カードになってしまうであろうことは想像に難くありません。アメリカに勝ち目のある喧嘩を仕掛ける覚悟がない以上、平たく言うと黙ってろ、ということですが、さしあたり今のところおバカな政治家筋からの舌禍は発生していない模様ですね。なんでも小沢幹事長が「5月にアメリカへ」行くとか行かないとか言う話があるようですが、先方がこの話を絡めてくることも十分考えられる状況かと思います。日本の政治家として日本の産業に全幅の信頼を置けるという啖呵を切れるのか、また切られるだけの実績をそれまでにトヨタが上げるのか、ちょっと気になるところではありますね。