新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

難しい話:銀行のあり方

2月6日号のFinance and economicsには、いまや世界第二位の経済力を支える中国の銀行と、中共政府(こんな言い方も聞かなくなりましたが)についての記事が出ています。曰く、銀行は政府の単なる道具にすぎないこと、曰く、意思決定プロセスが政府や党のさまざまな機能の後ろに隠れていて、非常にわかりづらいこと、曰く、それでもトップの意思決定は絶対且つ明確で、統制的に働くこと。

自由主義経済が陥った、投機と独占へのあくなき欲求の連鎖とは無縁の(に見える)巨大金融システムの一端が伺えます。尤も、全容を見れば明らかな話ながら個々の議論では今ひとつ明らかでないのは、仮に中国の金融が全体統制が良く利いたシステムだったとして、個別業務の迅速性、専門性・熟達度、リスクへの感性そして収益性そのものを含めてプロフェッショナルな金融になっているのかどうか、と言う点ですかね。

しかしながら、最終的にその国の産業や民生の発展に寄与する形で金融が機能してさえいれば、変に利益追求で不要なリスクをとるようなことはしなくてもよい、と考える人も少なくないと思います。ことによると中国のモデルはこのような考え方に近いと言えるのかどうか?うーん、難しい話です。