新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

あまり知られていない深刻な話の数々

3月6日号がネットで流れています。
Leadersは、男尊社会の国々における新生児女子への堕胎や間引きについて、英保守党の要職にあるアシュクロフト氏と出身国であるベリーズとの関係について(ベリーズってどこだ?と思った人は多いと思います。世界第二のサンゴ礁のある国だそうで)、アメリカと西欧で深刻化する財政赤字問題について、いまだ不安定さがぬぐえないイラクで実施される総選挙と夏に予定されているアメリカ軍の撤退について、そしてインドネシア政府と民主化要求勢力の間の微妙な緊張について、という内容です。

え?インドネシアって良くなったんじゃなかったんだっけ?日本で仕事をしていると、多数の方の認識はおそらくそんな感じだと思うのですが、民主化の遅れ、という教条主義は今に至るまでThe Economistの正義に照らせば決して許容されるべきものではないようで(それがゆえにパキスタン軍政を見限るという失敗を犯しても、です)。

アシュクロフト氏の陰には、ベリーズでの大きな仕事の数々そして同国政府との良く分からない関係も取りざたされているようですが、このニュースなどは日本にいるとほとんど耳にすることもないだろうと思います。

なんと言っても女児排斥については、またぞろ中国(そしてインド、さらになんと日系米人社会までやり玉に!)への当てつけめいた気配がなくはないのですが、新生児の男女比が場所によっては130:100という数字を聞くとその深刻さを感じないわけにはゆかなくなりますね。

高度成長期の日本もそうだったかもしれませんが、急激な成長に社会が追い付くにはいささか時間がかかります。その意味で、当てつけめいた話は控えるのが大人の対応なんじゃないかと思う反面、アフリカあたりで良く問題になる女子割礼の問題にしても、誰かがしっかりと批判してゆかないことにはそう簡単にはなくならないというのも事実だろうと思います。

時に応じて大人の対応と、そしてきちんと意見を述べるべき時は言う。そろそろ社会の成熟度が評価される時期であってもおかしくはないのですけどね、日本も。