新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ロシアと技術革新と民主主義

3月12日号のBriefingですが、最近ロシアが政府の肝いりで始めた「ロシア版シリコンバレー」の帰趨について。主要国の中でも技術革新の提案が目に見えて少ないロシアは、大幅な人口減少に悩む中、かつてソ連が原爆を開発したときの知見を想起させるロシア版シリコンバレーとでも呼ぶべき学者の町を作り上げて国家を挙げた技術の底上げに取り組んでいるのだそうですが、The Economistの論評では、政府の汚職体質が変わらない限り政府主導で民生技術の底上げは難しいのではないかとの見方です。

読者コメントも過半がこの考え方に共鳴しているようで、民主主義が機能して初めて民生技術の底上げが可能になる、政府主導では軍用技術くらいしかモノにならない、というようなものが多かったです。

人口がどんどん減って、活力も右肩下がりになる国で、技術革新に明日を求めるというスタンスは日本も比較的近いものがありますが、こちらにあってあちらにないものはといえば、どうやら機能している民主主義ということになりますかね。そのせいでしょうか、The Economistの統計グラフによるとダボス会議の資料として2008年世界各国のイノベーション力で日本はフィンランドに次ぐ世界4位(1位はアメリカ)ということでした。