新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

はやぶさ、二つ目のファルコン

随分とご無沙汰してしまいました。仕事が片付いたので、またもとのペースで書き込みたいと思います。

というわけで、6月19日号なのですが、いつものようにLeadersからではなく、巻末に近いScience and technologyに、小惑星探査機「はやぶさ」の話が出ていたのでまずはそちらから。

曰く、その前の週にアメリカで打ち上げられた民間の大型ロケット「ファルコン9号」に続いて二つ目のfalcon(はやぶさ)なのだそうですが。論評として、小惑星からのちり・ほこりを持ち帰ったかもしれないはやぶさの功績はそれとして称えつつ、意味があるのはイカロスが200平米もある帆をキチンと広げられたこと、というあたりはなるほどそういう見方もあるか、と思わされます。何度も失敗に打ち勝ったことに隠れて宇宙開発におけるミッションの意義という視点での議論が、はやぶさについてはちょっと後回しにされているかもしれません。いや、無論すごいことはすごいのですが。ちなみに日本では月の石より遠いところの石を持ち帰ったとすれば初めて、みたいな報道もなされたようですが、正確にはスターダスト計画による彗星のチリや、ジェネシスによる太陽風のサンプルなども収集されているとのことで、不勉強なワイドショーキャスターの伝えるモットモらしい意義は多少価値がさがるようです。ま、どちらかというと度重なる失敗にもめげず、知恵と工夫をフルに使って、7年かけても仕事を貫いた、という点に関心が向くのでしょうね。

でもだからといって仕分けで3千万円まで減らされた予算の復活につながる、というのは明らかに議論がショートしてしまっている気がします。使われるべき優先順位や意義の高いプロジェクトはどれなのか、しっかりした議論が必要だと思うのですが。