新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

タフだがフェア

ネットでは、7月3日号が流れています。早速Leadersから。

まずはサイバー戦争への懸念と、各国で進んでいると伝えられる電子武装について。特にアメリカは生活や産業の隅々までコンピュータが行き届いている国なので、もしもそのインフラが攻撃されるとすると、その脅威は他国の比ではないと思われます。この際、核弾頭も空母も関係ない、見えない脅威としてイランをはじめとする電子武装先進国が存在するというお話。続いてアメリカの金融市場改革についてですが、重要なのは破綻が懸念される金融機関を国が管理できるようにし、迅速なペイオフによる被害の拡大を防止できるようにしたこと、だそうで、国の関与を拒み続けたアメリカ金融市場といえども、大きな潮流に逆らうことは出来なかったと見るのか、逆に金融市場の健全化のためなら政府でも使う、と読むべきか見方は分かれるかもしれませんが、さしあたりとりあえず危機への備えが進んだと言う見方は出来そうです。

さらに中国と台湾を巡る経済連携の動きについて、じわじわと世界に広がる小麦黒さび病の脅威について(穀物市場の急騰はわずか数年前のことでしたよね)、G20諸国と財政再建について、そして最後に、英国の緊縮財政と予算に関する、「タフだがフェア」という政府見解へのしみじみとした反論。曰く、「フェアなんていう、どこにでもつけられるような漠然としたコトバよりも、正確でするどいコトバを選ぶ」。早晩「タフだがフェア」だと政府が評価する厳しい予算と付き合わなくてはいけないのは日本も同じ(か、それ以上)なのですが、そのとき日本のメディアが何を言うのか、ひとつのベンチマークにできるかもしれません。