新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

遅すぎた小出し?

7月3日号、United Statesのページですが、中国人民元の対ドル切り上げについての批判記事が載っています。曰く、遅すぎて小さすぎる。中国がアメリカの有権者から得た小さな忍耐は程なく尽きてしまうだろう、とのこと。

中国にとって、依然としてアメリカは最大の輸出相手であり、アメリカの購買力なくして中国の繁栄はないわけで。こなた中国国内は、輸出ロビーが強いので、切り上げも段階的にゆっくりとしか行われないだろうとの見方は妥当なものだと思います。ギリギリのせめぎあいが続く両国ですが、アメリカは量的に中国製品の輸入を大きく増やすという段階にはなく(貿易赤字の高止まり)、こなた中国も農村部からの労働者を安い賃金で使い続けられるかというと、これも今ひとつ不確かな要素なので(コスト上昇要因)、人民元の切り上げを巡る為替の調整は純粋に政治的な駆け引き要素へと変質してゆくのではないかと思っています。