新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2010年版ビッグマックインデックス

7月24日号がネットで流れています。Leadersは、アメリカにおける刑法犯の収監状況と、その荒っぽい処遇についてなど。でも私としてはやっぱり毎年おなじみ、Big Mac IndexがFinanceのページに載っていたので興味深く見ておりました。

すでにご存じの方も多いと思いますが、同Indexは「為替は長期的に見れば同一の商品を同一価格で買えるように収斂する」という購買力補正理論に基づいて、各国における直近のビッグマック(マクドナルドのハンバーガーです)の価格を調べ、比較することにより為替の強弱および乖離度を見ようという試みです。むろんハンバーガーがその国の市場におけるすべての財やサービスの価格を代表するわけではありませんから、単なるお遊び、と言われればそれまでですが、判り易さもあって広く世界で話題となる数字です(まじめに引用したりすると真贋性が疑われるかもしれませんが)。

さて、早速見てみるとアメリカで売られているBig Macは4都市の平均で3.73ドルだそうで、これに比べて乖離が少ないのは日本(3.67ドル)、オーストラリア(3.84ドル)など。円の為替が一ドル当たり86円くらいとすると、315円くらいのイメージですね。日本からすると行きすぎた円高、という感触が強い現在の為替水準ですが、ビッグマックに照らし合わせるとむしろちょうど良いくらい、という解釈になろうかと思います。でもホント?

どうやら必ずしもそうとは言えないのが、人民元の切り上げを巡り批判されている中国を含め、アジアのインデックスは軒並み各国の通貨が強いことを示しています。中国のビッグマックは1.9ドル、タイは2.17ドル、フィリピンも2.19ドルという数字です。各国の生活水準からすれば、必ずしもおかしくない価格ではないかという直感も働きます。この記事はバンコクで書いているのですが、タイだとビッグマックの価格(約70バーツ)は昼食のメニューとしては多少高いです。コンビニのサンドイッチhが25バーツ程度、横町のラーメン屋でセンミーナム(米粉の汁麺)が40バーツくらいです。この視点からみれば、日本のビッグマックは円高とデフレのマーケットにあって、もう少し安くても良いんじゃないの?という意見も出てきそうです(確かに牛丼も200円台ですし)。

一消費者としては、確かに安いほうがありがいのですが、さて。。。