新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

頑張ってるんじゃない?

ネットでは8月28日号が流れています。
まずはアメリカ軍のイラク撤退に絡めて、そういえばオバマ大統領って外交面では国民から文句を言われながらも頑張ってるよね、と言う記事。他にない視点に基づいた分析で読者をえっと言わせるのはThe Economistが得意とするところですが、この雑誌にそう言われるということは、、、。でもまあ、オバマもがんばってるじゃないか、ということですかね。
次に、与野党伯仲となったオーストラリアの議会について。日本のねじれ国会もそうですが、民主主義国家にあって異なる立場の人たちがそれぞれ力を持つと、政治は動かなくなりますね。危急存亡のとき、それにどう対応するかを考えると、議院内閣制よりも大統領制のほうが危機管理向きなのではないかと思ってしまいます。
さらに懸念される食糧不足とブラジルの果たしうる食料供給基地としての役割について、またなかなか改善しないアメリカの失業率について、そして多額の不良債権に悩む大型金融機関の再生策について、というラインナップです。

傷んだ金融システムをどのように再生するかについて、先行的な経験を持つのは確かに日本ですが、日本の処方や金融機関の復活度は米欧から見れば(自由化や規制緩和など)明らかに中途半端と言われるレベルだろうと思われますし、そうなると手本もない中、どうしても試行錯誤的なノロノロ運転とならざるを得ないと言うことかと思います。

オバマ大統領って、頑張ってるよね、という評価は足下からはなかなか出てきにくいものかと思います。アメリカ経済が低空飛行を続け、市場がドル安を容認する動きが続く中、ついに東南アジアとの間で中国は決済通貨を人民元にすることに合意したとのニュース報道もありました。すでにずいぶん前から、中央アジアの国などでは両替所に円のレートは出ていなくても人民元のレートは表示されているのを目にしています。ドルが基軸通貨の位置を失うということは考えにくいと思いますが、防衛や外交だけでなく、経済も頑張ってよね、オバマ大統領、というところでしょうか。