新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

信用を得ると言うこと

8月28日号のFinance and economicsには、かつて短期でしかおカネを借りられなかったペルーが、財政状態の改善に伴い長期でおカネを借りられるようになったお話が出ていました。フィリピンなども同様の状態にあるそうですが、ペルーの場合2007年には融資残高の4割くらいが短期資金だったのが、2009年には3割くらいに減り(総体的に長期資金が増えたことになる)、メキシコでは2000年に返済期限の平均が1.5年程度だったのが、2010年には7年くらいに伸びたのだとか。

The Economist特有の辛辣さで、東欧の新興国はこれができないことを証明した、とのフレーズもくっついていますが、それは置いておいてこれらの途上国が地道な信用回復に成功しつつあるというのは素直に朗報だと思って良いのだろうと思います。うがった見方をすれば貸す側の都合でそれだけ他の投資対象の魅力が低下したから、と取れなくもないのでしょうが、借り手の国からすれば70年代〜のポピュリストたちの失敗やハイパーインフレ、それに続く構造調整やリスケなどの苦しい時代から、少なくとも地道に信用を築くことの大切さを「学んだ」ということで、自信にもつながる話ではないかと思います。

今仕事でタイに来ているのですが、この国も随分と地力をつけてきたなと感じます。世界全体の貧富の差は、拡大していると言う分析ばかりを聞かされているような気がしますが、これらの国についてもそうなのかどうか、ちょっと興味を覚えましたので。