新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

反省の辞?

10月16日号、Finance and economicsには、The Economistお得意のBig Mac Indexについての反省のコトバとも取れる記事が出ています。とはいえ、基本は為替についていびつな状態が続くドルと人民元の相場についての話で、アメリカで4ドル近くするビッグマックは中国では2ドルそこそこ、ちなみにブラジルでは5ドルちょっとだそうで、ブラジルレアルはドルに対して42%も高い水準にあると計算できるとのお話です。確かに為替と購買力平価の関係を考える上では有用な指標の一つだとは思うのですが(ちなみに最近為替介入を行った日本はわずか5%程度の円高にすぎないとの分析)、一方で正確さという面からはやや乱暴な数字という批判があるのも事実です。

そもそもビッグマックという一商品が、その国の物価構造を正しく反映しているわけでもなんでもない、という明らかな事実があり、同インデックスは単なるマスメディアであるThe Economistが、判りやすさとイギリス流の風刺とユーモアを以て社会に対する関心の喚起を図っているものと理解しています。

それでもこれだけ影響力が強くなると、その正確性を科学的に検証しようという動きも出てくるらしく、西オーストラリア大学の研究者によると、正しい物価統計と為替に比してあきらかな偏向が検証されたのだとか。すなわち、「安い通貨はより安く、高い通貨はより高く」評価されがちなところが問題だ、とのことなのですが、だとすると円レートはとってもまとも、ブラジルレアルや人民元の補正余地も言われているほど大きくはないのでは?ということになりますが、さていかがでしょう。