新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ダメになる人の共通項

10月30日号のLeadersトップ記事は「怒れるアメリカ」ということで、中間選挙を間近に控えてオバマ政権への風当たりが強まりつつあるアメリカについての記事でした。

クリントン国務長官を含め、かつての仇敵も仲間に取り込み、民主党政権もしくは内閣としてはよくやっている、なのにアメリカにおけるオバマ大統領の評価は大統領選の時とは比べ物にならないほど低下していることについて、The Economistは次のように分析しています。

まず、妥協の繰り返しによる中途半端な政策が、「短い痛み」と早急な雇用回復を約束した自身の評価を下げたこと。

次に企業利益を考えた経済政策を優先させなかったことでビジネスマンを敵に回したこと。シリコンバレーはかつて大統領支持に立っていたのに、最近では「悪い投資」だったとの反省に立っている、のだそうです。

しかしそれよりなにより、「人の話を聞かないこと」への決定的な批判が決めてになっているのでは、というのが記事のポイントです。日本でも良く、「あいつは人の話を聞かない」という批判が公的な立場の人に対する決定的な評価を表すコトバとして使われますが、The Economistは「聴衆を魅了した銀の舌も、今やブリキの耳に取って代わられた」、という表現でTea partyやその他批判勢力を単に悪としか見なさない大統領の言動を批判しています。

なんだか久しぶりに納得感の高い記事を読んだ気がします。以て瞑すべし、というところでしょうか。