新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

意外にも

10月30日号のLexingtonは、中間選挙で注目されたティー・パーティと呼ばれる保守層のありようについて興味深い記事を載せています。

まず、保守的であると言われる彼らは決して右翼的でも、人種差別的でもなく、建国の基盤となった重税や大きな政府への批判を再確認することを求めているにすぎない(アメリカは、その建国の精神においてタックス・ヘイヴンであったという事実があります)ということ。つぎに、彼らのデモはごく平和的なものばかりで、行進が通った後にはガムの包み紙一つ落ちていないというエピソードに象徴されるように、教育程度も高く、社会のおちつきを尊重する人々であるという点もちょっと意外性を感じます。海外のデモ行進といえば、為政者の人形や外国の国旗を焼いたり、投石や破壊のニュース映像が流れるのがお決まりになっていますが、そういえばティー・パーティのニュース映像でこれらの姿は見かけたことがありません(そう思いなおすまでは、仮にオバマ大統領の人形を燃やす映像を見ても何の疑問も抱かなかったかもしれませんが)。

意外にも、というと失礼かもしれませんが、良識ある方々の集合体なのだということは特筆されるべき現象だと思うのです。良識ある保守が前面に出て国難を訴えるほどに、現在のアメリカが抱える問題は深刻だということかと思います。