新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ユーロ圏まだら模様

10月30日号のEuropeには、昨今のユーロ圏経済をざっくりと切り取った記事が出ていまして、概観を見直すには好適と思いましたので取り上げます。

まず、「ユーロ安に支えられた輸出で好調」なのはドイツとその近隣諸国、加えてフィンランドだそうです。こなた「公的債務、弱い輸出競争力、大幅な貿易赤字」で苦しんでいるのがアイルランド、イタリア、スペイン、ポルトガルとギリシャだそうで、フランスはちょうどその二つのグループの真ん中ぐらいなのだとか。

確かに、弱い国に比べると財政的問題も少なく、でも強い国に比べると輸出で儲けるという経済構造になっているわけでもなく、良くも悪くも中途半端ということのようですが、そんなフランスでさえ失業率は10%超まで悪化しており、真ん中だから良しとしていられるような状況ではとてもない、ということのようです(ちなみにドイツは7%前後)。

以降、ユーロ圏の中で持てる国から持たざる国への富の分配が行われてゆくのでしょうか。そうでもしないと統一通貨の維持は難しくなるような気がします。だとすると、発言権を強めるのはドイツとその周辺ということで、とくにフランスとの発言力のバランスがどう変化するのか、注目されるところですかね。