新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

困ったもんだ

11月6日号のAsiaには、尖閣諸島問題を巡る日中関係の悪化に関する記事が出ていますが、ビデオ流出前までの状況についての報告で、記事の内容としてはさして見るところがあるわけではありません。

で、読者コメントなのですが、中国のプロパガンダ要員と見られる人からの一方的なコメントがかなり多く載っています。いやらしいのは「支持する」をクリックしたことになっている人の数が異常に多いということです。おそらくは中国支持者でこのサイトを読んでいる人間たちが賛同の意を示しているものと思われますが、ビデオ流出についても「ニンテンドーの技術によるねつ造」「そもそも中国の領海で起こった話なので船にぶつけられただけで済んだことをありがたいと思え」等のコメントが相次ぎ、建設的な意見や第三者の冷静な分析が脇に追いやられる格好になっています。

おそらくは来週、ビデオ流出についての記事も載るものと思われますが、中国支持者の対応は「それがどうあれ中国は中国の主張を通す」以外の何物でもないのは困ったもんだと思います。

とはいえ、全世界が見たビデオ内容は、漁船の振舞いをしっかりと立証するものになってくれたわけで、その意味ではむしろ政府がいち早く公開し、そのうえで寛大な措置を取ることを明言するなどの対応を取るべきではなかったかと思います。ビデオ流出の犯人捜しに議論をすり替えることで、どれだけ支持率を落としているか、民主党のエライさんにはその辺りが判らないのでしょうね。こっちのほうこそ、困ったもんです。