新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

功ありし者、巧ならずとも

11月6日号のObituaryは、先ごろ亡くなったロシアの元首相、ビクトル・チェルノムイジン氏の後半生についての記事でした。元々資源屋さんだと思うのですが、若くてカッコ良く、弁が立つガイダル首相に代わり首相に指名されたときは、その風貌や巧言とはいささか異なる語り口から改革のイメージとは逆行する人事と思われたりもしたようです。ただその人柄やユーモアのセンスはロシア(というよりソ連?)一流の味わいがあり、国民からは愛された首相だったようですね。目立つ功績としては第一次チェチェン紛争の収拾と人質の救出が挙げられるようですが、The Economistが評価するのはロシアの市場経済化を推進し、国の経済の基礎を作ったこと、のようです。

後年、プーチン現大統領によるウクライナ大使への左遷人事など、必ずしも恵まれた処遇とは言えなかったようですが、資源開発を軸として日本を含む西側の国々と、政治面では大小の問題を抱えながらもなんとか付き合ってゆける基礎を築いてくれた功労者という評価は成り立とうかと思います。ご冥福を祈ります。合掌。