新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

見えていないこと、そしてWikileaks

12月11日号です。

Leadersは、経済政策で不協和音が聞こえるアメリカとEU、そして新興国の思惑違いについて、改めて付き合いに工夫が求められるロシアについて、今話題のWilileaksについて、中東和平について、そしてかつてはアフリカの優等生だったはずなのに、今や問題児となりつつあるコートジボアールと大統領選挙について、となっています。

Briefingはロシアの内実に踏み込んだレポートですが、それよりも目が留まったのはAsiaの記事で、中国におけるカトリック教会への政治的弾圧とWikileaksが報じたと言われる李克強副首相の、自国経済統計の信用度に関する発言ですね。

教会については、ラマ教よろしく中国政府がカトリック司教を任命するのだとか。で、中国と事を構えたくないバチカンは、大そう大人の対応で、ある程度先方の言うことを認めていたのだそうですが、収まらないのは中国国内の「真の」カトリックたちで、ひそかにローマとのつながりを模索するなど、どうしてもオフラインの動きは出てきてしまうようです。

さらに、李副首相の発言としてWikileaksが伝えるのが自国経済統計への不信についてですが、本来は名目値よりもっとばらつきや変動性が大きいのだ、との読み解きには、実態を知らずとも思わず「なるほど」と言ってしまいそうなところがあります。

宗教も、経済も、実は本当のところであの国が何をしているのか、巧妙にも見えにくいところがありますが、そのあたりを含めての定点観測こそが求められるんでしょうね。意外なかの国の弱点なのかも。