新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ずいぶんとのんびりとした

12月18日号のInternationalには、いささか旧聞に属しますがメキシコ・カンクンで見るべき成果もないのみ成功裏に終わった(?)と揶揄される、国連気候変動枠組み条約COP16の結果についての記事が載っています。

これまで私は事あるごとに、The Economistの最大の弱点は製造業分野だ、と言ってきましたが、もしかするとこの見解を改めなくてはならないかもしれません、と書いてしまうくらい、事実論評に微温的な毛の生えた程度の記事でして、読者コメントが中庸なコトバで失望を語るのも無理ないかな、という感じです。せっかくThe Economistを読んでいるのだから、頼むからこんな記事載せないでよ、という感じです。

あるいはThe Economistが必死に守ろうとする価値観すなわち自由主義と自由貿易は、地球環境と言う待ったなしの新たな課題に適応するだけの考え方ではないということを間接的に暗示しているのかもしれません。なんともピンボケの記事と、深刻なのに熱はこもらない読者コメントが、のんびりしたという形容があまりにも似つかわしくない会議の停滞を象徴しているようにも見えました。あきれた感の強い記事にはたまに出会うことがありますが、今回のこれは特大級で、その意味では欲しくないクリスマスプレゼントをもらってしまったような気がしています。