新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

第二のスプートニクショック?

1月22日号のUnited Statesでは、中国の胡錦濤主席訪米を終えて、それがアメリカでどのように捉えられたか、かつてのスプートニクショックを引き合いに論評がなされています。

1957年、自信満々のアメリカを襲った「スプートニクショック」。ただちにアメリカは科学技術分野への巨大投資で答え、最終的に1969年の月着陸へと向かうことになりました。中国の台頭は、第二のスプートニクショックと言えるのか?

The Economistが指摘する違いはまず、ここ数年にわたる中国の台頭は、ショックと言えるほど単発の脅威ではないということがあげられています。また、かつてのソ連が西側に対して安全保障面の脅威であったことと、アメリカと軍事的対立を望まない中国とは事情が異なること、さらにアメリカ自身の「自信」において50年代後半と混迷の続く現在とではかなり事情が異なることも触れられています。最終的には自らの混迷について解決の方向性を見出し、なおかつ中国への恐怖心を取り除くことができれば国論もまとめられるのでは、ということですが。

アメリカの場合、こういった原理的な議論がしやすい土壌があるぶん議論も深まり易いように思えます。日本は原理的な議論を呼びかけるメディアがいるだけで、どうしても上滑りになりがちなのは、そのあたりの土壌の差かなと思ってしまいます。