新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

軋轢の予感

1月29日号のInternationalでは、増加し、やがてピークを迎えるイスラム系住民のヨーロッパそして国際社会における存在についての観測記事が出ています。2030年頃には現在の2倍を超える人口になるイスラム系住民の政治的な存在感について。

国際的にはインドネシアを抜いてパキスタンが世界最大のイスラム教国になること、インドは人口全体が増えるため、イスラム教人口は比率としてほぼ現在と同じ15%前後で推移すること、貧困層にイスラム教が多いナイジェリアではさらにイスラム教の人口比率が増えることなど。

ヨーロッパでは国によって10%以上がイスラム教徒になる国もあると予想されるそうで、そうなった場合に生じる文化的・宗教的な軋轢への不安は確かにあろうかと思います。

ただ、エジプトやチュニジアでもそうだと思うのですが、圧政を行っていた政府を民衆の力がひっくりかえしたように、元来イスラムは民主的な宗教だろうと思うのです。エジプトなど、圧政を利用していたのはむしろアメリカで、その意味では民主化と宗教対立を混同しないようにしっかり見極める必要性があるように感じています。