新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

古典を大切にするということ?

2月26日号のEconomics focusでは、The Economistも一歩譲る経済学論文の専門誌、American Economic Review (AER)の果たしてきた役割と、同誌が100年を超える歴史の中でトップ20に選んだ経済学論文について、ごくごく簡単な論評が出ています。

所得の向上に関するクズネッツの仮説、ミラーとモジリアニによる可処分所得の研究、ロバート・マンデルによる通貨の研究など、経済学の入門書では必ず出てくるような有名どころが並びます。

そのどれもが、読まれるより引用されるほうが圧倒的に多いものであること、されどもそのどれもが、経済学界に未だ相応の議論をもたらしている側面もあること、最新の研究は1981年の論文で、それ以降トップ20に入るものがないのは、経済学はある程度の年数実証期間が必要とされるためでは、という仮説が述べられています。

経済学もまた、古典を大切にする学問だと言うことのようです。日本から出された論文がまだないのも、実証期間が十分でないから、と言うことなのかもしれませんね。