新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

カーボンサイクル、実は良く知らない大自然のしくみ

2月26日号のScience and technologyで面白いと思ったのは、大気中の二酸化炭素だけでなく、海中・地中そして生物の体を形作っている、地球上のありとあらゆる炭素を分析して、全体のサイクルを明らかにしようと言う科学の取組みについての記事です。そもそも宇宙を形成する元素としては、水素、ヘリウム、酸素について4番目に多いと言われる炭素ですが、この地球上に存在する元素に占める割合としてはわずか0.07%から多くても3.2%くらいだろうと推定されているそうです。

たとえば石油。現在、学者の大勢は古代の生物の遺骸から形成されたという意見のようですが、地底深くの高温高圧状態は、水と炭素を結合させて原油を生み出したとする学説も、まだ見捨てられたわけではなく、実際に実験では水と炭素から油を作ることに成功しているのだそうです。もしもこのメカニズムが解明されれば、自然由来の石油ではなく、もっと洗練された方法で合成することもできるようになるのでは?というあたりがこの学説への期待らしいです。

最近は、カーボンと言うとどうしてもCO2にばかり目が行ってしまうのですが、そういう切り口もあったかな、と言う感じです。いや、実は良く知りませんでして。