新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

判ってても

3月5日号がネットで流れています。

Leadersをざっと見ると、石油価格上昇とそれによる新たな「石油危機」の到来について、リビアの現状と、断固たる態度を取るべき国際社会の立場について、インドのタタやブラジルのエンブラエルに代表される、新興国の大企業と先進国企業の関係について、2012年のアメリカ大統領選挙に向けて候補者選定を迫られる共和党と現段階での対オバマ戦略について、イギリスで社会問題となっている移民二世の問題について、そしてアメリカで株や貯蓄よりも多額の資産運用がなされている住宅市場が持つ問題について、となっています。

人間、社会の一員として毎日さまざまな変化に対峙していると、判っていてもそれをどうにかできるものではない、しかしながら本来は人智のおよぶはずの問題や現象について「なぜ」を考えさせられることが少なくないと思います(リビアの現状など、まさにその好例)。本来は強いリーダーシップを期待されるアメリカ大統領として支持率が今一つのオバマ大統領についても、中間選挙の時のような勢いが共和党にはありません。なぜ?と考えるに、一つは景気が回復しつつあるから、でしょうし更に候補者が帯タスキ、という要素もあるのかもしれません。また、本来は投資先として柔軟性に欠け(切り売りできない)、取引コストも高い住宅市場におカネが流れ込むのはなぜ?という点についても、株や貯蓄に比べて効用が目に見えるから、と言う要素もあるのではないかと思います。

じゃあ良い候補者を出して、もっと景気を良くする政策を出せばいいじゃない。あるいは株式市場をもっと身近にする工夫をするとか、住宅投資がより安全で扱いやすいものになるよう制度を変えるとか、すればいいじゃない。ま、確かにそうなんですけど、いずれも難儀な話ですわな、一介の読者にしてみれば。ただ、世の中の変化の方向を、批判的に捉える上での物差しにはなるかもしれません。The Economistを読むって、その程度のこと?と聞かれると、二の句もないのですが。