新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

中国の対西欧への影響

ネットでは3月12日号が流れています。

Leadersのトップは、躍進する中国経済を支える民間企業と、これまで何とかその成長を下支えしてきた国とが、考え方の違い(資本主義と共産主義)最終的にどうしても摩擦を避けえないことについての、極めて妥当な論評でした。

読者コメントも、一時期目立った鼻につく中国共産党のプロパガンダめいた発言は少なくなり(ゼロではありませんが)、さまざまな視点からの興味深い分析や意見が出されています。

その中で興味を引いたのは、「国家レベルの発展を考えるとき、中央による統制はどう見ても必要不可欠である。その意味で発展を成し遂げた中国の事例に西欧が学ぶ点は多い。」とする意見でした。発言の趣旨からすると欧州の方のコメントであるように見えますが(巧妙にそう見せかけた中国のサクラでないという保証はないのですが)、ごく単純に考えると、発展や成功を実現した者に対しては一定の敬意が払われると言うのがここしばらくの国際社会における不文律であったと思われることから(ジャパンアズナンバーワンと言われた時代もありました)、その意味ではおかしくないコメントだなあと思うと同時に、ついに中国もここまで来たかと思わせる現象でもありました。西欧が中国に学ぶ、は10年前なら決してありえなかった視点かなあ、と。

しかしながら、「考え方の違い」について今後官と民がどのように折り合いをつけて行くのかそうでないのか、流石のThe Economistもまだそこまでの洞察は持ち合わせていないようです。同様に、読者コメントも中国の未来について示唆的なものを提示してくれるものはありませんでした。おそらく、そこが一番知りたいところであり、そこが一番難しいところでもあり、ということなのかと思います。