新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ゲンパツについての説明

3月19日号のScience and technologyは、福島第一原発で発生したトラブルと、ありえた最悪の状況と、緊急的な対策が取られた経緯をかなり中立的にしっかりと報道しています。読者コメントも好意的なものが多く、The Economistの隠れた強みである「科学・技術に関する報道力」を遺憾なく発揮した記事だと言えます。もっとも、同じような内容の情報は数日遅れながら日本ではかなり広範に共有されつつあるので、今日の段階でさほど目新しさはないのですが(巻頭から読み進めて行くと、Science and technologyはどうしても後回しになってしまいます)。

強いて言えば、かなり原子力に詳しいと思われる読者からのコメントで、「最終的に事態が沈静化した後の1号機から4号機は、かつてチェルノブイリで行われたように石棺を作って閉じ込めるしかないのではないか」との指摘があったことが目新しかったかな。

いずれにせよ今日現在では大気中への放射能排出がポイントになって来ており、周辺地域への汚染拡大の可能性が懸念されかねない状況かと認識しています。科学・技術に強いThe Economistが電子版でどのような評価を下すか、ちょっと注目したいと思っています。