新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

地震から少し目を離すと

3月26日号は、相変わらず東北関東大震災関連のニュースも載っていますが、世界の関心事はThe Economist電子版の順番で言えば?リビア情勢、?世界経済、?アメリカの国家予算、?海洋生物の多様性ときて、?日本の地震と原発、という順番になっていることからもわかるように、時々刻々と推移しているようです。このうちリビア情勢や世界経済(その多くは地震関連の話題でもありますが)については国内メディアでもある程度は報道されつつありますが、さすがに地震のダメージは「海洋生物どころじゃないだろう」という反応につながるのではないかと思われます。

ある意味で近い話かもしれませんが、3月22日は国連水の日だったそうです(日本ではほとんど注目されなかったと思いますが)。というわけで今週のBanyanは、カンボジアの貧民街で実践されている安価な上水道の普及についてのお話です。「上水道整備なんて」議会からも相手にされなかった貧困層向け上水道整備プロジェクトにお墨付きを与えたのはHun Sen首相、そしてODA資金が使われて整備された上水道は、衛生状態の改善と病気の予防、そしてなんと、水配給のための容器ビジネス振興にもつながったのだとか。安全な水の価値を最も認めるのはユーザーたる貧困層だそうで、「彼らは(価値を知っているので)十分安ければ水道代を払う」のだとか。

いまだに全体の40%が安全な水へのアクセスを持たないと言われるアジアの大都市圏住民に対する一つの解決事例として注目できる案件ではないかと思います。地震からちょっと目を離すと、世界は止まることなく動いていることが判ります。