新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

置いてかれてる?

4月16日号です。

このところなんだか震災と原発のせいもあって、しばらくアタマが世界に向きづらい日々が続いていたのですが、久しぶりにしっかりとThe Economistを見てみると、なんだかだいぶ距離感が生じてしまったような錯覚にとらわれます。

まずLeadersなのですが、中米の麻薬汚染、中国のジャスミン革命に対する警戒ぶり、ナイジェリアの選挙、イギリスの銀行システム、インドの外資受け入れ政策について、となっています。圧倒的にコメントが多いのが中国に関するものです。

艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏という現代芸術家が当局に拘束されたこと、が象徴的なニュースとして取り上げられていますが、記事によると中国では2月以降在野の弁護士や人権活動家・環境活動家そして宗教家に対して、当局による監視や集会の妨害などが目立つようになってきているのだそうで、アイ氏の拘束は中でも象徴的なものと捉えられているようです。

こなた、日本では震災関連の報道に隠れてか、ほとんどアイ氏の話は報道されていないと思います。そんな中でこの記事は、例によってThe Economistが、中国の人権問題ひいては共産党政権のあり方について声高に疑義を発した、という感じでしょうか。案の定コメントはとても多く、震災から1カ月の間に読者から寄せられたコメントでみても、中国についての意見は日本に関するそれより圧倒的に数が多い(ちなみにそれより多いのはリビア問題とドイツの選挙についてですが)という状況です。

震災は、確かに大変で、原発問題も含めて現在進行形なわけですが、他方世界からなんとなく置いて行かれる原因になりつつあるような、そんな懸念を禁じ得ません。ここしばらくは自身のリハビリという意味もあり、少し頑張って記事を読み続けようと思っています。