新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

インドが中国に追い付けない理由

4月23日号のBanyanは、インドの経済成長が実は結構奇跡的なものだった、とする分析を載せています。確かにデータは興味深いです。

世界の投資家が注目するIMFの「事業しやすさランキング」でインドは183カ国中総合134位だそうで、分野別でみると「契約履行」はなんと182位だとか。新しい事業を始めるのにかかる日数なども軒並み200日を超えていて、そのうえ道路や港、空港などのインフラも、急激な経済成長に耐えうる容量を確保できていないという事実があります。政府の対策に対する評価も中国に比べて低く、せいぜい目立つのは海外で資金を貯めた在外インド人による投資意欲の高さくらい。また、人口が多い割にレベルの低い初等教育や、かつて社会主義を標榜した時代の名残ともいえる手厚い労働者保護政策、そして労働者有利に作られた雇用契約により細分化が約束された仕事の内容などは、人材の高度化を進める上での大きなネックになっているとのこと。

たぶん、そうではないかと思うのは、インドにおいて「中国に勝つ」とか言った優先度の高い国家目標や経済界のコンセンサスは存在していないんでしょうね。もしあるのなら、当然のごとくインフラ整備や人材育成の面で対抗策を打ち出しているはずですしね。