再建するということ
5月21日号、ちょっと先取りでFinance and economicsにある震災後の日本経済再建についての話題です。
民間の、予想を超える早い立ち上がりとそれに比べてリーダーシップが見えない政府の動きを比べた話題でしたが、いささか気になったリードがありました。それは宮城県の漁協が県に対して漁業への民間企業参入を阻止するよう陳情を行ったというくだりです。
震災前の停滞する日本経済において、農業を始めとする一次産業の既得権についてはそこかしこで疑義が呈され始めていたと思います。確かに議論は煮詰まっておらず、たとえばTPP参加についてもコンセンサスめいたものは特になかったと思うのですが、反面「復旧・復興」がこれら既得権をも当然に含めた何かであるべきか、と言う点はしっかり議論されてしかるべきポイントかなと思う出来事がありました。
たしかNHKの番組だったと思うのですが、魚市場が震災で破壊され、機能しなくなった後の話として、とある仲買さんが漁船に同乗して、取れたての魚をインターネットで販売するというビジネスを紹介したことがあり、個人的にはぜひ買いたいと思ってそのサイトをずっとフォローしているのですが、残念ながら今月に入ってから一度も実施されていません。
番組で、仲買さんは「これは新しいことを始めるチャンスだ」と語っており、私もその通りだと思うのですが、既得権を代表する立場から言わせれば真逆の話、だったのかもしれませんね。
日本は試されている、とするならば、その試練は復興のスピードもさることながら、より良いものを生み出して行けるかどうか、ソフト面にまでおよぶべきその破壊と新生の度合いについてもあてはまるのではないでしょうか。
僭越ながら、読者コメント欄にも同様のメッセージをアップさせていただきました。