新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

Sonyだけじゃなく

6月18日号のInternationalには、「アノニマス(匿名)」という名前で知られるハッカー集団と、その被害を受けた企業や団体のリスト、そしてこの脅威にどう対応すべきなのかという趣旨の記事が出ています。

ソニーが二度にわたって標的にされたことは日本でも報道されて記憶に新しいところですが、その他にもヒューレット・パッカードIMFなども狙われており、とりあえず政治的あるいは経済的な意図を以て「攻撃」が行われていることを推察させる状況になっているとは言えそうです。がしかし。

読者コメントにもあったのですが、本当に破壊や混乱を目的とするなら、たとえば銀行決済システムや航空機・鉄道などの運行管理システム、送配電管理システムなどのインフラを攻撃するのが手早いところ、これらハッカーは必ずしもそのような標的を優先したりはしない、というあたりに何か意図やこだわりめいたものも感じられる要素はありそうです。

よく、中国や北朝鮮が名指しされますが(記事によるとロシアも)、これらの国々が敵意に基づいて、しかも体制主導で行っているハッキングこそが事件の中心である、と言うふうにはどうしても読めないところがあると思うのですが。

「さしあたり、セキュリティを強化するとともに、有効な再発防止策を講じる」ソニーに止まらず、攻撃を受けたいずれもの企業や団体が取る行動は同じだろうと思われますが、個別モグラたたきだけで良いとは思われませんで、このヨクワカラナイ困ったちゃん対策につながるような、背景の解明が待たれるところです。真相解明にはほど遠いと言う意味ではこの記事そのものも落第点でして、果たしてThe Economistは、サイバージャーナリズムとしても一流ぶりを示せるのか?鼎の軽重を問われているのはソニーだけじゃなさそうですね。