新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

タイの行く末

6月25日号のAsiaですが、注目記事の一つはタイの総選挙を巡る情勢についてのリポートだと思います。
アビシット現政権も良くやっていると思うのですが、世論調査ではタクシン派を率いるインラック党首の人気が高いようで(彼女はタクシン元首相の妹)、再び政権交代と、亡命中の元首相への恩赦が見えてきたような状況ではないかと思われるわけですが、The Economistは意外に慎重で、ありうる選挙結果を冷静に分析したうえで舞台の後ろに控えるタイ国軍の存在に触れて記事を締めくくっています。

汚職や職権乱用が明らかになっても、依然として農村はタクシン派の大きな票田だという状況に変化はなかったようです。政変後の経済運営にある程度成功しても、アビシット首相に風が吹くことがなかったのは彼がカリスマ性に欠けるから、でしょうか?インラック女史は44歳と若く、見栄えのする党首ですが読者コメントなどでは「タクシンの操り人形」と評する向きもあるようです。ただ、ビジネス界で活躍してきた経歴もあり、タクシン元首相にとっても一筋縄で行く相手なのかどうか。

タイが「バナナ・リパブリック」の汚名を返上できるかどうか、選挙とその後の展開が注目されるところです。