新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

表の顔、裏の顔

8月6日号のScience and technologyには、「月の表と裏はどうしてあんなに見てくれが違うのか」に関する新説についての紹介記事があります。

月は自公転のサイクルのおかげで、常に地球を向いている側と決して地球を向かない側に分かれるのだそうですが、地球を向いているほうにはウサギが住んでいて、じゃなかった、「海」とよばれる黒い影のように見える低地があって、反対側は一面クレーターに覆われたでこぼこだけが広がっている、という明らかな違いがあります。

この差はどうして?という疑問には歴史上さまざまな仮説が投げかけられたそうですが、最近になって太陽系が生成するプロセスで地球からわかれた月に小型の月がゆっくりと衝突したことによるのではないかという学説が発表されたそうです。数々の前提をコンピュータに打ち込み、南極あたりに激突したという説に基づいたシミュレーションをしてみたところ、秒速2.4km程度のスピードで衝突したとすると、小型の月の破片は多くが地球から見て反対側の月面に散乱するという結果が出たそうです。

月にウサギが住んでいるのは、第二の月の衝突で飛び散った破片がウサギの住んでいるところまで降り注がなかったため、というのが今回の新説ということなんでしょうかね。今年の十五夜は9月12日、8月の満月は14日だそうです。