新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

投票の心理学

8月6日号のScience and technologyには、もうひとつ興味深い記事がありまして、それはアメリカの選挙における投票行動に、国旗(星条旗)がもたらすであろう有意な違いについての科学的分析に関する報告なのですが、研究者が実施した調査によると、星条旗を見せた場合は共和党寄りの意見に賛同する人が増える傾向が確認されたということだそうです。

ただ、よく見ると星条旗を見せない場合はあきらかに民主党寄りの考え方を持つ人が多いところ、星条旗を見せると多少その傾向が弱まる、といった程度の差異に過ぎず、投票所に国旗を飾ったからと言ってどちらが勝つ、というほどの影響力ではないと思われます。そうは言ってもこれまで僅差で決着した選挙も多かったことから、意外と無視できない要因になる可能性もあるわけで。

The Economistらしい結論だなあと思ったのは、もしもオバマ大統領が星条旗を自らの政策シンボルに掲げたとしたなら(彼はあまりやらないようですが、無論何の問題もない話です)、多少この傾向は弱まるのでは?とのこと。

来年の大統領選挙については、前回と違ってまだ盛り上がりを感じるところまで来ていないようですが、内政についても外交についても、ブッシュ時代の負の遺産を清算できていない共和党にとって、苦しい戦いになるのではないかと見ています。