新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

国際支援の新しい姿

ネットでは8月13日号が流れています。例によってLeadersのラインナップをざっと見てみると、イギリスの暴動、世界経済の危機的状況、アメリカの格下げ、バングラデシュの選挙と与党による汚職そして野党いじめ、国際支援の新しい姿、となっています。前半の3件は、先週から今週のニュースで取り上げられることの多かった話題ですが、後半の2件は普通に暮らしていると耳に入って来にくいタイプの情報だと思います。

まずバングラデシュですが、経済が好調なことも手伝って、前回久しぶりに政権復帰を果たしたアワミ連盟が順当に選挙で勝利を収めた、というところまでは良いとして、この国の政治の悪しき伝統たる「勝者による敗者いじめ」がまたぞろ始まった、というニュースには本当にがっかりさせられます。遅々としてモノを決められない某国の政府も似たようなものかもしれませんが、「国民はその水準以上の政府を持てない」ことの、これが一つの表れだとしたら、同じ人類として深いため息をつくしかないと思わされてしまいます。

そして、国際支援の新しい姿についてなのですが、このほどインドが海外支援のための役所を作ることになったのだそうで、経済成長目覚ましい同国の意識向上が見てとれる話です。同時にメリンダ&ビル・ゲーツ財団など、国際支援の枠組みにもこれまでになかったプレーヤーが登場し、かつてOECDの委員会ですべてが決まった時代とはずいぶんと様子が変わってきています。日米欧が幅広く支援を牛耳っていた時代から、考え方を大きく変える必要が出てきているということだろうと思います。こんな機会にこそ、かつて最大の援助供与国であった日本も新しい枠組みの提案に関与すべきではないかと思うんですけどね。