新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ふるさと債?

8月20日号のFinance and economicsで、さほど注目されている記事ではないのですが、ちょっと個人的に気になった記事がありましたので、それについて。

いわゆる途上国にほぼ共通して、外国への頭脳流出または出稼ぎ移民が相応の規模で続いているという現象があります。多少の増減はあるのでしょうが、いずれの国も相当数のこれら海外生活者を抱えているのが現状と思います(ちなみに日本人でもこれに該当する人はいますが、比率的に言うと随分小さいのではないかと思います)。記事が伝えるところによると、ナイジェリアやフィリピンなどを皮切りに、海外生活者向けの債券発行による資金調達プログラムが導入されようとしているのだとか。確かに海外生活者の中には先進国で一定以上の収入を得ている人が少なくないわけで、さらにこれらの人に共通する愛国的な考え方が重なると、意外と有望な資金チャネルであると言えるのかもしれません。

私がちょっと考えたのは、例えば同じことを日本の自治体は都市生活者を対象にやれないのだろうかということです。日本の公的機関はそれでなくても法律にがんじがらめですから、思いつきで話が進められるようなことはないと思いますが、たしか「ふるさと納税制度」とかいう地元振興を目的とした税制もあったはず。無論利率や条件にもよるでしょうけれど、同じ債券を買うなら日本政府が発行したものよりぜひ地元振興に使われるものを、と思う人も少なからずいるのではないかと思ったものですから。いや、私が知らないだけですでにそのような商品が出回っていたとしたら、どうぞご勘弁を。。。