新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

タバコと旧弊

10月22日号のAsiaは、日本が依然として先進国では極端な愛煙家天国であることにひっかけて、政治的な旧弊に絡めとられつつある野田政権の現状を伝えています。
やや意外な話ですが、だいぶ高くなったという感のある日本のタバコも、アメリカやイギリスに比べれば半値だそうで、しかも飲食店を中心として公的な場所での喫煙はまだかなり規制が緩い状況だというのですが、言われてみれば年齢制限こそかかったものの町のそこここには自販機がおかれ、公園などには必ずと言ってよいほど灰皿も整備されている景色は、確かにそうかもしれないなと思わせるだけのものはありますね。

止められないタバコ、そしてその煙草を作る農家を保護する現政権の行く手には「ねじれ国会」を乗り切るために求められる自民党を始めとする旧体制への迎合や妥協である、というのが記事のオチなのですが、ごく限られた読者コメントは底を素通りしてタバコの話や震災復旧への(それはそれで大変ありがたい)心遣いなど、日本の政治がどうしようと大した問題ではないのかとさえ思わされる無関心ぶりでした。

いささか飛躍的なのですが、だったら参議院をなくしてみては?と思うのは私だけでしょうか。閉塞感に覆われた日本の行く道を拓くには、いささか無謀に見えてもまずはスペースを作るところから始めないことには、と感じています。立法機関を身軽にすることでモノが決まりやすくなれば、自ずから政治は動きだすのではないかと思うのです。様々な変化が加速されることで、閉塞感を打破できる可能性は高まるのではないかと。そうなると、タバコ農家の大変さは加速されるかもしれませんが。