新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

あと1年

ネットでは11月5日号が流れています。
さっそくLeadersを見てみると、あと1年にせまったアメリカ大統領選挙について、ギリシャの信用不安問題に端を発した欧州通貨危機について(ここ数日、日本ではタイの洪水を押しのけて海外ニュースのトップかな)、原発事故と東電の今後に関して、石油開発への期待に沸くブラジルについて、中東と欧州の間で存在感を増すトルコについて、という内容になっています。

アメリカ大統領選挙は、共和党の混乱と、その原因になった保守派による政治的攪乱が内政全般への影響を強め、その反動としてオバマ大統領が中道寄りからリベラル寄りの立ち位置へとシフトしたこと、結果として本来は最大の影響力を持つはずの中道(経済的にも中間層がこれに当たるものと理解します)が真空状態になっているとの分析を伝えています。あとちょうど1年で選挙が行われるわけですが、このままではオバマ大統領は「アメリカをまとめられなかった大統領」という不名誉な肩書きがつけられ、確たる競争相手がいないというのに再選が不安視されると言う、なんとも脆弱な状態のまま選挙戦に突入することになりそうな状況ですね。真空地帯の中道・中間層について、オバマ氏がどのような対応を取ろうとするのか、選挙戦本番へ一つの興味深い視点かなと思って見ています。