新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

報道されることのないアメリカの暴力

11月5日号のUnited Statesには、日本ではおよそ報道されることのないアメリカの、暴力を旨とする勢力についての詳細な記事が出ていました。

アメリカで暴力と言うと殺人、みたいなイメージがかつては強かったと思うのですが、時代を経てもそのあたりはあまり変わっていないようです。
2010年、アメリカでもっとも殺人事件が多かったのがニューオーリンズだそうです。そこで最悪と言われる事例について、The Economistは詳報しています。

記事によると、テリー・ハンクトンという男は、ライバルとの抗争で相手を車で轢き倒しておいて顔に銃弾を撃ち込んで殺し、保釈金百万ドルを払って出所した上で更なる殺人事件を起こし、収監されると彼の従弟が殺人事件の目撃者を撃ち(奇跡的に生存)、裁判になると承認を脅してうそのアリバイを証言させ(証人が事実を告白してご破算に)、さらにその裁判の進行中に被害者の弟が何者かに撃ち殺される、という、絵にかいたような暴力による問題を起こし続けているそうで、市長は関係者全員を必ず逮捕すると宣言したそうです。

なんだかバイオレンス映画にでもなりそうな話ですが、この男は名前からするに白人、しかもどちらかというとイギリス系じゃないかと思われます。殺人犯が、百万ドルで保釈されるというあたりが良く分からない仕組みですが、これもまた、課の国の一面なのかと思います。